数年前にお城の耐震チェックが行われ、崩壊の危険性のある乾小天守、渡り櫓をガイドできないのが残念です。渡り櫓には家紋や鬼瓦などの展示があり、ガイドが楽しい場所でした。 今回は鬼瓦の説明時に引き合いに出す「ヨーロッパの大聖堂にあるガーゴイルに似ています」に使用される「大聖堂」とは何か?「教会」や「チャペル」との相違は?について記します。 一般に「大聖堂は教会より大きい」と思っている人が少なくないようですが必ずしもそうではありません。教会も大聖堂も「祈りの場」であることに変わりはありませんが、cathedralはcathedra (ラテン語で司教の王座or司教の椅子) のある教会という意味で、司教(bishop)のいる教会を意味します。司教区に一つしかありません。(司教とはローマ教皇のすぐ下の地位です) 一方cathedraがなく、司祭(priest) がいるのがchurchです。 しかし「大聖堂は大きい」というイメージを持つことにはそれなりの理由があります。ゴシック様式の聖堂が建築された13世紀頃ヨーロッパの経済も発達し、その地方の中心に置かれた聖堂は経済力や栄光を示すものとして豪華・巨大になっていき大聖堂と言われるようになりました。 さて、chapelですが、これは私的に設けられた祈りの場所を指します。城内の祈りの場をそう呼んだとも言われています。チェコで個人所有のお城を訪問したことがありますが、そこにはチャペルがありました。 教会とチャペルの違いは、教会には神父や牧師が常駐していますが、チャペルには常駐していないということです。日本ではミッションスクールの構内にチャペルがありますが、ある年齢層の会員には「蔦の絡まるチャペルで~♪」の歌でお馴染みかもしれません。
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